肩にかかる映の重みと体温が心地いい。
 そっと頬にふれてみると、指先が冷たかったのか映の体がぴくりと揺れた。


(雨、止んだんだけどな)



 諒の視線の先で空は紅く染まり、濡れて肌に張り付くようだったシャツもすっかり乾いていた。
 出来れば起こさず連れて帰りたいのだが、負ぶって帰ろうにも、
体勢を変えればきっと映は目を覚ましてしまうだろう。



(……まぁ、あともう少し)



 映の寝顔を見下ろしながら、諒は静かにその目を閉じた。



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  5. 張り付いた髪を掻き上げるその手は の続きです。
 ていうかこのふたりどこにいるんですかね?





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