愛し君へ



この季節になると、どうしても君のことばかり考えてしまう。
 遠くから僕を呼ぶ少し高い声。
 振り向いて僕を呼ぶ手。
 真っ直ぐに、僕だけを映す瞳。


 
 ――また、来年も一緒に来れるといいね。



 いつもふたりで歩いた道。
 いつもふたりで過ごした季節。
 いつもふたりで見上げた色。


 もうすぐ「ひとり」が「ふたり」を追い越す。






 



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