白い狂気
君のことは確かに"憶えて"いるのです。
君の声も、姿も、僕は確かに"識って"いるのです。
でもどうしても思い出せないのです。
ごめんなさい 僕の最愛の人
悲しげに歪んだ君の瞳を見ると悲しくなります。
その小さな手を握り返すことすら出来ないこの躰を恨めしく思います。
赦してください 僕の最愛の人
どう足掻いても時計の針は戻せないのですから、
いっそ早く終わればいいと思います。
大した違いはありません。
どちらにしても僕は君を悲しませることしか出来ないのですから。
(もしこの世に神様というものが本当に存在するのでしたら、どうか彼女に"僕"を返してあげてください)