あたし


本当はあたしなんてものはどこにもなくて
他人の視線に怯えながら
でも誰かによってあたしは構成されていて
あたしは あたしひとりでは息をすることすら出来なくて



あなたにとってのあたしでいること
望まれた姿でいること
あたしらしくあること


全部同じ全部嘘




少しずつ剥ぎ取られていくあたし
あとには何も残らない

からっぽの器
それがあたし

  

 



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