ただ傍にいることがこんなにつらいなんて思いもしなかった。




  素直過ぎた嘘 sideA





 

 例えばずっと隣にいられたら、どんなに素敵だろうと思った。
 誰よりも近いところで、あなたと同じモノを見れたらどんなに素敵だろうと思った。
 


 (選んだのはわたし)
  


 仮令そこにわたしの知らない色があっても、
 いつかあなたがその色に染まってしまっても、
 わたしはそれで構わないと思えるはずだった。



 (呑み込んだ言葉)



 笑顔であなたの背中を押せるほど強くはなれないけど、
 あなたを泣いて引き止めるほど、わたしは弱くはないはずだった。



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 でもそれは思い込みだった。
 あなたのことなら何でもわかっているつもりだった。



 あなたはわたしを選んでくれる。
 そう、思ってた。
 

 
 
 




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